「なに――!? カツアゲされた!?」

「必人! 声大きい!」

ホームルームが終わり、1時間目前の放課。 朝9時の教室に必人の声が響く。

「あの後、ブラッディーズのやつらにムリヤリ……」

机に頭をのせて泣きながら言う、被害にあったマモル。
昨日の見つけ屋の仕事が終わり、必人とと別れた後、カツアゲされたとのこと。
必人、、同じクラスの男子2人が、マモルの机を囲んで彼の話を聞いていた。

「ブ……、ブラッディーズ!?」

「あの超有名な不良グループか!!」

男子2人は口をそろえて驚く。

「お金はいいんだ、ただあのサイフ…。 死んだおじいちゃんにもらったものだったから…」

ガッ。

まだ泣いているマモルの腕を誰かがつかむ。

「こういう時こそ、オレの出番だな!」

「へ?」

「そいつらオレが見つけ出してやるぜ!」

「えぇ――!?」

腕をつかんだのは必人。 彼はマモルの腕を掴んだまま教室を飛び出した。

「ちょ、ちょっと、必人! あーもう、思い立ったら止まらないんだから…
 ごめん2人とも、先生に今日の授業3人休むって言っておいて!」

は一緒にいたクラスメートにそう伝えると、必人とマモルの後を追いかけた。



「……いいかい。
 ブラッディーズってのは、ドクロのペンダントがトレードマークの超不良グループなんだ!」

学校の屋上に2人はいた。

「サイフはあきらめよう! 警察だって手を焼く連中…」

「よし! 目印はドクロだな!」

「だーかーらー!! やめろっての!」

止めようとするマモルの声も聞かずに、必人は屋上から町を見下ろす。

「今更説得は無駄だと思うよ、マモル。 必人は1回決めるとなかなかやめないしね。
 ……というか、情報もらった以上、私も探すから!」

「っても――!?」


ドクロ、ドクロ…


必人とは自慢の超視力で町中を見回す。 親子、学生、通勤中の人…さまざまな人達がいる。
その中で、黒いジャケットを着た柄の悪そうな男が視界に入った。
―――――― 首には、ドクロのペンダント。

「「イエス! 見つけたぜ!」」

「だから僕の忠告聞いてよ…」

パチンと指をならす必人と。 マモルは一人、柱に向かって手をつきうつむいていた。



「必人…、マモル……!」

あの後、3人はブラッディーズの男を見つけたあたりに向かって走っていたが、
人通りが多く、は2人とはぐれてしまった。

「一体どこ行ったの―――!!」




一方の必人とマモルは…

「ああ!?」 「財布を返せだと!?」

「ああ、返せ! あれはマモルの大切なものなんだ!」

「あわわ必人…」

ブラッディーズの3人と出くわしていた。
いかにも”不良”という外見のその3人は、必人を止めようとするマモルを見て、昨日自分達がカツアゲした少年だと気づく。

「なんだ昨日のガキか」

「いいぜ。 返してやるからついて来いよ」

その光景をたまたま見かけた帽子をかぶった男の子が一人。

「あれは………」

彼は必人のズボンのポケットから少しはみ出ている 物 が何か理解した。
――――――――『ビーダマン』。




「必人ー! マモルー! どこにいるのー?!」

は大声で2人の名前を呼びながら町の中を探し歩いた。
夕方、一旦家に帰ってみたが、まだ帰ってきていないらしい。 嫌な予感がする。
辺りはすでに暗くなり始めているというのに。

「…っ。 必人…マモル…」

近くにあった公園のブランコに座り、は泣き始めた。
だがすぐに泣くのをやめた…いや、こらえた。

「…泣いても今の状況は変わらないんだから」

涙をぬぐい、もう1回家に帰って確かめようと立ち上がったところ。

「…必人が……戦って、る…?」

いや、まさか…。 でも何故かそんな感じがしたのだ。

「あっちの方向…?」



は必人が戦っていると思われる方向に歩いて行くと、廃墟になった工場に辿りついた。
すると突然、凄まじい爆発音と共に工場の右上の壁に巨大な穴が開いた。
壁の破片が辺りに飛び散る。

「もう少し早く来てたら巻き添えだった…って2人は!?」

が工場の中に入っていこうとすると、怯えて出てくる3人とすれ違った。
3人の首にはドクロのペンダント。

「必人! マモル! 無事!?」

中に入ると、マモルの手をつかんで立ち上がらせようとしている必人の姿が見えた。
2人とも傷だらけだ。
必人はが走ってきたことに気がつく。

! 今までどこ行っ…」

「ごめん、2人とも無事でよかった…!」

「……心配かけてごめんな」

必人は涙を浮かべるの頭をポンポンと優しく叩いた。

「…でも、この爆発、一体何があったの…?」

「うん…必人、今のは…?」

「オレもよくわかんねぇ。 急にイフリートが熱くなったと思ったら…」

2人の質問に、未だ手に持っているイフリートを見る必人。

「お兄ちゃんの心にビーダマンが応えたんだよ!」

突然、上の方から声が聞こえる。
見上げると、帽子をかぶった小さな男の子が、一番高い台の上に座っていた。

「誰だお前!? 何か知ってんのか!?」

フフフ。クスクス。と笑うその男の子に必人は尋ねる。

「知りたい? 教えてあげてもいいよ。 ただし!」

男の子はかぶっていた帽子を上に高く投げ上げ、4発、帽子を何かで撃った。
落ちてきた帽子には穴が4つしっかりと開いている。

「ま…さか!」

「僕に勝てたらね」

男の子の手に握られていたものは。

「お前もビーダマンを!?」

そう、必人のビーダマンと形・色は違えど、間違いなく”ビーダマン”だった。



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・・後書き・
またまたお久しぶりの更新です、原作に戻りました!(結構とばしてる&オリジ入ってますが;;
ややややっと 1話 が終わりました! ホントに亀更新ですみません(滝汗)

冒頭。
9時で放課みたいだったので(というか立って会話してたから放課だろうな(汗)、
勝手にホームルームということにしてしまいましたが、実際どうなんでしょう?
ちなみに、私の小学校では1時間目が始まってる時間でした。
あ、あと、あの場所って…学校の屋上、なんでしょうかね…?

えーと、疑問はここらへんでおいておいて。
はぐれちゃったヒロイン → 戦いが終わった頃に辿り着く。 ありがち、か……;;
……そして実は、戦闘等アクションの描写が一番苦手な管理人です、ごめんなさい(汗)
ブラッディーズとのバトル(?)はとばしても話に支障はないかな…?と思ったのもありますが…。
でも、バトル漫画ですし、ね! 出来る限りがんばりますので暖かく見守ってくださると幸いです><
って次が謎の男の子(隠す必要あるのかな(笑)とのバトルです!  ……うお、後書き長くなってしまった;;

2008 / 8 / 19 UP