「俺と付き合っちまえよ!」
「はいはい、何バカ言ってんの。」
「コータローさん…順番、間違ってると思います。」
ここは盤戸高校。 今はアメフト部の休憩中だ。
コータローとジュリから少し離れたところにあるベンチに座り、2人の会話を聞いていたは苦笑しながらつぶやく。
「コータローは今までにも何回か同じこと言っている。 気にすることじゃないさ。」
「そうなんですか?」
の隣に座っている赤羽はギターのチューニングをしている。
そんな赤羽を見ながら、サングラスかけてないなんて珍しいな…、なんて思う。
コータローとジュリは、さきほどとは別の内容だが、まだ言い合いが続いている。
「。」
ふと、は赤羽に名前を呼ばれる。
「何ですか?」
「付き合わないかい。」
急に何を言い出すのかと思えば、赤羽の口から出たのはコータローと同じ言葉。
一瞬、その場にいた部員全員の動きが止まった。
「いやいやいや赤羽さんまでそんなことを。 というか順番違いますってさっき言ったばかりですよ。」
は笑って言う。 冗談だと思っているのだろう。
「フー…」
「…赤羽さん?」
の右頬に赤羽の左手が触れる。
赤羽の顔を見上げれば、は赤い目と目が合った。 とても真剣で、でも優しい目。
こんな目でじっと見つめられて、落ちない女の子はいるだろうか。 赤いから更に惹かれるのだろうか。
そして彼はにしか聞こえない静かな声で言った。
――――――――――――「愛してる」
「あ、あのあの…!」
「何だい?」
「ま、周、り…」
しばらくして、はっと現実に戻ったは、周りの部員が皆固まっていることに気づく。
完璧に赤羽のペースに乗せられて周りのことを忘れてしまっていたのだ。
「……………………。」
赤羽は動きが止まってる部員を無言で見まわした後、 ギャ―――ン とギターを鳴らした。
「フー。 練習再開だ。」
(((((流した!!)))))
その場にいた全員が心の中でつっこんだのだった。
・・ 後書き ・
赤羽さん夢! 彼は周りなんか気にしなさそう、です(苦笑)(ぇ
(1番上のコータローとジュリさんの台詞・関係(?)は公式ネタです(18巻参照)
ではでは、ここまで読んでくださりありがとうございました!
2008 / 3 / 28