ローレライ教団の大聖堂。
その一角には座り込んでいた。
「はあ・・・。」
は今までにないくらい悩んでいた。
「どうしよう。」
が悩んでいる理由はこうだった。
「シンク・・・イオン様のレプリカだったなんて・・・。」
今さっき、シンクが突然の前で仮面を取った。
はシンクとただ親しいだけと思っていた。
・・・が、それは自分だけだった、と彼女は思った。
なぜならさっき、仮面をとるほんの10秒ほど前彼女はシンクに告白されたからだ。
自分の事が、好きだと。
そして、彼は仮面を外した。
「うーん・・・。」
其処まではまだ百歩譲って良いとする。
だけど、問題はその後。
自分が、シンクにとってしまった態度。
は素顔を見せてくれたシンクに酷いことをした。
笑ってあげる事も、心配する事も無い。
その場で立ちすくんでしまった。
そして彼の顔をちゃんと見ることもなく、「あ・・ごめんね。」と言ってその場を走り去ってしまった。
そんな自分の態度が、には許せなかった。
彼は、自分を信頼して愛しているから素顔を見せてくれたというのに。
「傷付かせた・・・。私が。」
は顔を手で覆い、小さな声をあげて泣いた。
その声が聖堂に小さく響き渡った。
彼の告白に答える事も出来ないまま。
・・・答えなんて、そう。
決まってる。
彼がイオン様と同じ顔をしてたって。
レプリカだって。
(・・・私はシンクの事、見ていける自身がある)
好意まで行かなくても、はシンクが好きだった。
そんな彼に、告白されたのだ。
(そう、レプリカだって。)
「私・・・シンクの事、好きなのに。」
彼女はまた泣き出してしまった。
「はぁ。そんなに泣かないでよ。」
後ろから声がした。
「え・・?」
そっと後ろを振り向くと、そこにはシンクがいた。
素顔をさらしたシンクが。
「・・・きゃあ!」
はビックリして立ち上がった。
・・・その反動で彼女は前の長いすに頭をぶつけた。
「だあっっ!・・・うえー痛い・・。」
そのままその場に座り込んでいると、シンクが起こしてくれた。
「本当に危なっかしいんだから。見てるこっちがヒヤヒヤするよ。」
「あ、ありがとう・・・。」
はすぐ隣にいるシンクの顔を気づかれない様にそっと見た。
導師イオンよりも少しつり上がった目。
導師よりも少し大人っぽい顔。
似ている、けどそれは紛れもなくシンクだった。
「・・・そんなのボクの顔、びっくりした?」
いつの間にか立たされ、シンクは
の涙を手で拭き取りながら言った。
「えっ・・・、いや、その・・」
しなかった、といえば嘘になる。
どうしよう、と考えてしまう。
「隠さないでよ。別に、おどろいたって悪い事じゃないし。」
そういってシンクは笑いかけてきた。
そして、そっとを抱きしめた。
「ちょっ・・シンクっ!!」
「少しぐらい良いじゃない。だってボクの事、好きなんでしょ?」
は息を呑んだ。
「聞いてたの!」
するとシンクはの耳元で話し始めた。
息がかかる。
は小さく肩を震わせた。
「聞いてたよ、最初からずっとね。」
悪びれる事もなく、淡々と話すシンク。
そんな彼を見ては思い出した。
「・・あの、シンク・・・。」
「何?」
彼の体重が自分にかかる。
体温が直に伝わってくる。
は自分の顔が赤いのに気付く。
「さっきはごめんなさい。シンクの事、私、傷つけた。」
少しの沈黙の後、彼は口を開いた。
「いいよ、別に。気にしてないし。・・・まぁ、傷付かなかったって言えば嘘になるけどさ。」
最後の方を、彼は哀しそうに言った。
「ならボクの事、認めてくれるって思ってたから。」
その言葉を聞いては胸が締め付けられるのを感じた。
辛かったのだ、と思った。
はシンクを強く抱きしめた。
「・・・ごめんなさい。・・・でも、私シンクの事・・・好きだから。」
「・・・本当に?」
シンクは笑いながら言った。
「本当だよ。」
「ボクがレプリカでも?」
「うん。」
「・・ずっと一緒に居てくれる?」
「うん。」
「じゃあ、いいよ。もう全部なかったことにする。」
そう言って、シンクはに短くキスをした。
「・・・っ、シンク!」
自分の顔が赤いのが分かる。
シンクはそんなの顔を見て笑った。
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ミドリさんさんよりお礼に頂きましたシンク夢です!
頂いた後、ちょうど友達がやってるアビスを見て、シンクに興味が湧いてきてます…!
(なんという偶然…いや運命?←)
ではでは素敵夢ありがとうございました!><