遅刻の代償
「ペタさん。ファントムどこか分かりますか?」
「珍しく仕事だろう。」
ロランはファントムを探していた。
今日は二人で休みを取ってお出かけの約束なのだ。
「お仕事…ですか?」
「ああ。」
約束していたのに、と思いつつ、ペタに御礼を良い歩き出す。
お出かけ、それも今日は特別にいつもは禁止されている町に行くのだ。
ファントムとお出かけ、と言うので普段はしない事までやったのだ。
服にアイロンをかけたり、髪を櫛で梳かしたり、ARMを磨いたり…。
「何も言わずに仕事に行っちゃうなんて…。」
置いて行かれた気分になって少し寂しかった。
城の廊下を歩きながら、溜息を付く。
約束の時間を20分過ぎている。
『もう一度ファントムの部屋に行って、居なかったら、部屋に戻りましょう。』
そう決めてファントムの部屋に向かう。
その間にも、居なかったらどうしようと色々な考えが巡る。
考えても無駄だと思っても考えてしまうのだ。
考えている間に部屋の前に着く。
深呼吸をして、ノックする。
「ファントム、ロランです。居ますか?」
返事は無い。
諦めて部屋に戻ろうと踵を返した。
-ぼふっ-
「!?」
「遅れてごめんね、ロラン。」
行き成りぶつかってしまい、抱きしめられる。
「ふぁ、ファントム…!」
「ごめんね。結構遅れっちゃった。」
ロランは少し泣きそうになりながらも、ファントムに悪口を言う。
「ファントム、じ、時間を守らないなんて…。」
「うん。」
「お、遅れるの一言ぐらい言ってくれても良いじゃないですか。」
「ごめん。」
ロランは一頻り怒った後で、ファントムの背中に腕を回す。
「…寂しかったんですからね…。」
「何処行こうか決めてたら時間すぎっちゃってて。」
「許しません。」
そう言うと、ファントムは困ったような愉しんでいるような顔になる。
「謝ってるじゃない。」
「いーえ。許しません。」
そしてファントムから離れる。
「今日は一日中私と居てもらいますからね。」
怒ったように言うと、ファントムは笑う。
「分かったよ。」
「寝るときもですからね。」
「はいはい。」
そして、ロランがファントムの手を握る。
顔を赤くして俯いてしまう。
「は、早く待ちに行きましょう!」
「うん、行こうか。」
ロランは嬉しそうに笑った。
END.
クロスさんからの相互お礼にファンロラ小説を頂きましたー!
すねちゃうロランがかわいくて、ロランをかわいがるファントムが暖かいです^^
そんな2人のやりとりを影で見守りたい、むしろトムになりt(ry
ではでは、相互・素敵な小説ありがとうございました! これからもどうぞよろしくお願いします><