「これは               賭けだ」

三日月の夜…
森には、紺色の髪に青い――サファイア色と言っても良いだろう――瞳の一人の少年がいた。
彼は、右手の人差し指にはめてある、上にピエロが付いた扉の飾りのリングを見つめ、

 ARMよ    誘え

どこからかダガーを取り出し、そのリングの扉の前の鎖を切る…

        そして――――

するとリングは光りだし、

       応えよ

その扉が開く…

   異界の住人と…______!!!


・ 1話 : プロローグ KNOCKIN'ON HEAVEN'S DOOR ・・



『聖剣ホーリー サンダーフォースを引きぬいて! 魔王ガルガンチュアを倒す唯一の武器よ!!』

妖精が、崖へ向かう金髪の少年に話しかけている。 少年が向かう先には岩に刺さった1振の剣。

『うははは!! お前にそいつが抜けるかな!? 姫はワシの妃として連れてゆくぞ!!』

目の前では、姫を手に握った魔王が勝ったようなことを言っている。

『助けて―――っ!! ギンタ―――っ!!』

その魔王の手の中で、その姫――容姿は黒いショートカットヘアーに、茶色の目――は叫ぶ。
そして、少年は覚悟を決める。

『ぬくぜ!! お前を倒して平和を! ぉおぉおおりゃあああ――っ!!
 いくぜ聖剣ホーリーサンダーフォー―――っス!!!』


……………「はっ」

気付いた彼が立っているのは、魔王の前ではない。
教室の自分の机の上で、聖剣を抜いた時のポーズで立っていた。 手の中にあるものは剣ではなく定規。
それにはクラスの皆が驚き、一部の生徒は冷や汗を浮かべている。
誰かがシャーペンを落とした……それが合図のように。

「ギンタぁ………またてめえか……こーのお約束ヤロウ! グラウンド100周してこいやアホンダラ!!!」

いつものこと。矢沢先生の怒鳴り声が響く。
そう、彼は授業中に寝ていたのだ。

「またか…」

はぁ…とはため息を吐いた。


彼の名は 虎水ギンタ という。
中学2年生で14歳。 運動神経は0。 視力はゲームのやりすぎで両目0.1。


「だらしねーなギンの字!」

「覚えてっか? 6周目で倒れたんだぞ、お前。 ジキュー力ないのォ」

「ホレ! 聖剣サンダーフォース。 これで矢沢倒しにいこう!!」

と数人の男子にからかわれている。

「ぐ…イヤミかチクショウ!」

「あいつ倒すにゃ身長2倍にしねーとな。 牛乳飲め牛乳!」

成績は中の下。 朝礼は一番前に並ぶチビッ子。

「あ゛――あ゛―― は――な――せ――よ――」

猫掴みにされ、足が宙に浮いている状態のギンタ。

そこへ。

「やめなさいって!」

ギンタを掴んでいた男子は後ろからパチンと頭をたたかれる。

「皆、ギンタいじめすぎ!」

現れたのは――黒髪・茶色い目の女の子――小雪だ。

「いや…いじめてんじゃないんだ小雪ちゃん。 いじってる の。
 ホ―――ラ、どこまで口がのびるかな――楽しいな―――」

と一人の男子は言い、ギンタの口を横にのばす。

「やめなさ―――い!! も何か言ってやって!!」

「……………」

「お、お前ら~~~っ…  オレは怒ったぞ――っ!!!」

ギンタは今まで自分をからかっていた男子を追いかける。

「ギンタがキレたぞっ」
「平気だ!!ギンの字は2分でへばるっ」

小雪とは呆れて、自分の額に手を当てた。



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・・後書き・
始めてしまいました、MAR原作沿い夢。
う~…文章力ない…かもですね…。 原作書き写したのがほとんどです…
夢主の出番が少なくてすみませんm(_ _)m
これからも、よろしくお願いします。

2006 / 9月 UP
2008 / 3 / 28 ほんの少し修正