ギンタは視力、持久力、腕力があがっていることに気づく。
もちろん、もあがっている。 さっきギンタの後につるをパンチでどけてみたから、だ。

「よっしゃあ―――――――っ!!! 洞窟探検すんぞ――――――っ!!!」

「私が先に入るんだってば――――――――っ!!!」

その後更に、「しゃあーっ」と言ってはりきているギンタを止めようとするドロシー。

「君達は子供か?!」

2人にあきれる

そして3人は遺跡の中に入っていく――…



・ 3話 : BABBO ・・



「うお―――っ!! スゲエ―――っ!!!」

ギンタ達は遺跡の通路を通っている。

「この中に宝物があるんだよな! どんなヤツ?」

ギンタはドロシーにきく。

「知らない。 ただ、相当レアなARMのはずよ。
 探しに行った人間は誰も帰ってこないから何とも言えないけど、多分、オンリーワン限定ARMでしょうね。
 未知なるARM『バッボ』!!必ず私のコレクションにしてやるから!」

(バッボ…? どこかで…
 あ、イタリア語で”お父さん”・”おじさん”て意味だったっけ…)

「そういえば、あなたの名前は?」

ドロシーがにたずねる。

っていいます。」

「いい名前ねー。 えっと…女の子、よね」

ドロシーは、の服―――つまり制服を見ながら言う。

「はい。 あ、あの…いきなりで失礼なんですが、僕が女の子ということを秘密にしてくださいますか…?
 ………えっと…その…」

「? いいわよ。 深い理由はきかないから。
 その代わりと言ってはなんだけど、敬語とさん付け、いいからね」

「え、あ、はい! ありがとう、ドロシー。 あ、あの金髪の子が…」

言いかけただったが、あることに気づく。

「よし! 先に進むよ! そしたら達にもリングダガー、プレゼント…って、アリャ?」

ドロシーもそのことに気づいたらしい。

「ギンタなら、ついさっきこの穴に落ちたみたいだ…」

が指差した床に、穴が開いていた。 そこから「ー。ドロシー」とギンタの声がする。
2人はギンタを穴から引き上げる。

「ビックリした! あんなトコに穴あいてるとは!!」

「ボウヤもしかしてお荷物? 帰る?」

「もうおちないおちない!」

 ギンタは首を振り、目を丸くして答える。

「「オレすげえワクワクしてて、周りがよく見えねえんだ!
  この世界に来たばっかで楽しくてしょうがねえ!!」って…なんで一緒に言ってんだよ、!」

「いや、ここまで僕が考えてたことを言うとは思わなかった」

ははは…と笑う

「異世界に来たらそんなこともできるようになるのか~」

ほわーとギンタは憧れる目をする。

「ぎ、ギンタ、僕、そのせいで1回置いていかれたから、だいたい考えがついただけなんだが…」

  この子達……まさか――――

話をしている2人を見て、ドロシーは考えていた。

  …そんなワケないか!

「いいから、早くいくわよ!」

まだ話していたギンタ達に呼びかける。 ギンタは元気よく「おう!!」と答えついていく。


「…じゃあ、そのARMってたくさん種類があるのか?」

「そうよ。 私はその中のレアなアイテムばかり集めているの。
 能力の高いモノや、一個しか存在しないモノをね。
 武器となるウェポンARM―――― 守護者を呼ぶガーディアンARM――――
 もしくはダークネスARMかホーリーARMかもしれない。
 形状もリングなのか、ペンダントなのかも不明。 それが『バッボ』!!」

「オレそれが欲しいな!!」

「ダメ!! ボウヤにはリングダガーあげるって言ったよ!!」

ギンタは期待をこめて言うが、ドロシーに却下される。

「なんだよケチ!!! いっぱい持ってんだろ? そんなに集めてどうすんだよ!?」

「ギンタ!」

ギンタを落ち着かせようとする

「んー? 秘密だヨv くすくす……」

そう言ったドロシーの笑みは、冷たく、ゾクっとするような不思議な笑みだった。
笑みを見たギンタは背筋が寒くなるのを感じた。
ギンタを気にすることなくドロシーは、「ついたわ」とギンタ達に知らせる。
前を見ると、広い広間。
まっすぐ行くと、そこには舞台みたいなところがあり、そこには宝箱の形をした箱がのった机があった。

「あ!!! 宝だぞドロシー!!!」

その箱を見るなりギンタは、箱に向かって走り出そうとする。

「まって!」

ドロシーがギンタを止める。

「あまりにも簡単すぎる、だな」

「そう。 普通こういった場所にARMを隠すのは、盗賊かARMを造る彫金師!
 盗まれないためか、持ち主を選ぶためトラップをしかけるはずなの!
 ここに来るまでに壊れたARMや、食料もゴミがあったわ。
 バッボを求めた人間が来ていた! なのに手に入れられなかった! つまり……」

話していると、机の玉が光だし、巨大なブリキのゴーレムが出てくる。

「うっわぁあ――――っ!!?」

「……!!」

「やっぱり出てきたかガーディアン!!!」

ギンタはあまりの大きさに目を大きくする。

「おっかね―――っ!! でも……」

「でも何!?」

「かっこいい――――――っ!!」

「やっぱ帰れ!!!」

「そんな話をしている場合か! 来るぞ!!」

が2人に忠告した瞬間に、ゴーレムの拳が達目掛けて振り下ろされる。
なんとか避けれたが、すごい風圧だ。

「こんのっ…」

ギンタは素手でゴーレムの拳を一発殴った…が、相手はブリキで出来ている。

「ギニャ―――っ!!」

痛さに叫びながら、ギンタは地面でゴロゴロと転げまわる。

「(意外とケンカっ早いからな…)ギンター、大丈夫か――?」

未だにギンタはゴロゴロ転がっている。

(さすがにあの怪力でもアレには無理か!
 仕方ないね。 私のリングアーマーより上級のARMっぽいし…ならガーディアンには……ガーディアンで!!)

そして、ドロシーの左腕についていたブレスレットが光り…遠吠えと共に生き物が出てくる。

「行きな!!フライングレオ!!!」

翼の生えた白いライオンが、ゴーレムの頭上に飛んでいる。
フライングレオはゴーレムの頭の部分にかぶりつくが、ゴーレムはそれを片手で払う。

(すごい…)

いつの間にか痛みから回復したギンタはその戦闘を見ている。

(すげえ…すげえ!!! ARMって何だ!!?
 ブレスレットからあんな怪物呼び出せるのか!!? スゲエよ!!
 じゃあ……じゃあさ!!!
 あんなのに護られてるバッボってARMは……もっと スゲエ って事だよな!!?)

ゴーレムの後ろに見える宝箱を見、

「見ってえ―――――っ!!!」

宝箱の方へ走り出す。

も、ドロシーの戦闘を見守りつつ、その後を追う。

「! (ボウヤ達!?)」

戦闘は激しさを増している。

(ガーディアン出してる時は動けないのにィ……!!
 だからって今はレオを消せない!! やっぱ…帰らせればよかったかも……)

ギンタは机の上にのり、宝箱の前に立つ。

「この中に……バッボが…」

は机の横で見守る。

「(どんなARMだ?!) あけるぞ、、ドロシー!!!」

ギンタが勢いよく宝箱のふたを開ける。
そして、中に見えたものは

―――――――鼻ちょうちんをつけ、ぐっすり眠っている、長い棒のような鼻、ひげ、目、口のついている球体。

は目を丸くする。
ギンタはあまりに想像していたものと違ったためか、目が飛び出ている。

「フガっ!」

鼻ちょうちんが割れ、

「んん…ん―――?」

球体は目をゆっくり開ける。
そして目の前にある汗だくのギンタの顔に気づく。

「ここはどこじゃ?……何も思いだせん。
 どれくらいねとったかのォ――――…ちーっとも覚えとらん!」

周りをキョロキョロ見たり、顔をしかめたり。

「ドロシーに質問―――っ」

手を挙げてギンタはきく。

「何!!? バッボはあったの!?」

「話すARMって……あるか?」

「んなモンあるわけないでしょ―――っ!!? アクセサリーがしゃべったら気持ち悪いよ―――っ!!」

「気持ち悪いとは何じゃ―――っ!!! 無礼者が!!! 謝罪せよ!!!」

青筋を浮かべ、ドロシーに負けない声で怒鳴りながら、その球体はピョイーンと箱から跳び出る。

(動いた…)

ギンタはそれをまじまじと見ている。 ドロシーはというと…目が点になり、顔が固まっていた。
向こうではフライングレオとゴーレムが対峙し合っている。
その沈黙をやぶったのは、ギンタ。

「オイ。 お前こそ何だ?」

「バッボ。 それだけは思い出せる!!」

そう、この球体こそ、ドロシーの探していたARM―――――――――バッボだった。



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・・後書き・
更新遅れて申し訳ありません…!!
前から書き始めていたのですが、なかなか気に入った文章にならなくて…
えっと…ドロシーが理由を聞かなかったのは…ギンタママと同じ、です(意味不…
途中でがよくわからないこと考えてたりしてますね…
口調が最初の時と変わっていたら、お知らせくださいm(_ _)m
今まで待ってくださった方、そしてここまで読んでくださった方、ありがとうございます!!

バッボの洞窟内の話は黒背景に白文字になっています。 読んでいて、色が目にチカチカときたようでしたら、気軽にご報告ください。

2007年 UP
2008 / 3 / 28 ほんの少し修正