・ 4話 : GET ・・
ギンタはまだ机の上に立っていて、バッボと見つめ合っている。
「お前が―――― バッボ ?」
バッボと名乗ったおかしな球体にそう尋ねる。
”バッボはそうとうレアな未知なるARM!!”
((これが?))
ドロシーの言葉を思い出し、とギンタはそれが本当にバッボなのかと疑う。
「なんじゃい、さっきからジロジロと!! 無礼であろう!」
じ――っと見つめられてたバッボは機嫌を悪くする。
(待てよ、この形………見たことあるぞっ)
バッボの形をよく見ると…
「形からすると、ケン玉か…?」
「そうか!! お前ケン玉のARMだな!?」
そう嬉しそうに言いながら、ギンタはガシッっとバッボを掴み、持ち上げる。
「気安くさわるでないわ、馬鹿者――――っ!!!」
「こらぁ―――っ!! ボウヤ達―――っ!!!」
後ろからドロシーの声がする。
「バッボを手に入れたんなら逃げるよ!! このガーディアン、手におえないわ!!」
見ると、レオとゴーレムの戦いはさっきより激しくなっていた。
「だってさ。いくぞ」
が、バッボはピョイ、とギンタの手から跳ぶと、
「断ふ!! ワヒはまた寝はい!!」
先程まで自身が眠っていた宝箱に食いつきながら言う。
「ドロシ――、先に逃げて―――っ」
「時間がかかりそうなんだ…」
「バカ!!! ガーディアンARMを発動してる時、こっちは動けないの!!
今フライングレオを元に戻したら逃げられるけど、
その時あのアーマーは――――― バッボを護る為キミ達を襲うのよ!!!」
空中でレオがゴーレムに向かってすごい勢いで突進していく。
拳を構えたゴーレムは、向かってきたレオの頭を殴る。
レオは元のブレスレットに戻り……砕けた。
「! レオ… あ。 きゃああぁぁあぁぁぁぁぁああぁぁぁ」
ゴーレムの手がドロシーを掴んだ。
「「!!」」
ドロシーを掴んだまま、ゴーレムはズン…ズン…と音を立て、達の方に近づいてくる。
「ヨユウ…出しすぎたみたーい。(もっと上級のARM持ってくればよかったかな…)」
「ドロシーをはなせ―――っ!! オレが相手してやる!!!」
ギンタはゴーレムに向かって叫ぶ。 ガーディアンのゴーレムが、少し驚いたように止まった。
「オイ!! おきろバッボ! おきろ!!」
「あだァ――っ!!」
箱に噛み付いたまま、ぐーぐーと狸寝入りしているバッボのひげを引っ張る。
左手で剣玉の棒の部分を握り、片方の手でバッボのひげを掴み机から飛び降りる。
「あだだだだだぁ―――っ!!! ヒゲ!! ワシのヒゲがぬけるぅ―――っ!!!」
ギャーギャー騒ぐバッボ。
「ギンタ、持つところ違うぞ…
起こすためにわざと…だろうけど、そろそろ持ち替えてあげないと、バッボがかわいそうだ…」
のその言葉に、ギンタはバッボと鎖の付け根近くの部分に持ち替える。
「こんの無礼者がア!! 紳士のヒゲを何と心得る!? 決闘じゃあ!!!」
ギンタに掴まれていたヒゲはクシャクシャだ。
すごい血相で言うバッボだが…
「ん?」
ギンタはバッボを自分の後ろに引き、
「いけバッボ!!!」
「のがぁア―――っ?!!!」
ゴーレム目掛けて投げる。
ゴーレムに向かってくるバッボを見たドロシーは目を見開きビックリしている。
「あ――― あれもこれも… 貴様らがいらん事するからじゃあ――――っ!!!」
ぶつぶつ文句を言いながら突進し、バッボはゴーレムの腹部にヒットする。
その衝撃でゴーレムの手の力が緩み、ドロシーは開放され宙に飛ぶ。
「Wind Schleife(ヴィント シュライフェ)!!」
細い風の筋が落ちるドロシーの下で渦巻き、ドロシーはゆっくりと地面に着地する。
ARMを発動させたのは―――――。
「ありがとう、。」
ドロシーにお礼を言われ、は微笑み返す。
ギンタはゴーレムの真上にくる…
(くそ…でけえな!! いくら力が強くなっても…またダメなんじゃねえか!? もうちっと――― 大きければ なぁ)
そう心の中で思ったとたん、剣玉が大きくなる。
そのまま剣玉をハンマーの用に振り下ろし、ゴーレムを倒す。
「わ…。 うわ―――っ! ケン玉が大きくなった!! カッコいい――――っ おもしれ―――――っ!!」
「ケ、ケンダマ? それハンマーよ?」
ドロシーは聞いたことのない言葉に疑問を浮かべるが、その後は無言でギンタを見て微笑む。
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2007年 UP
2008 / 3 / 28 ほんの少し修正