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ここは、光の生命体 ― 聖獣 ― 達が暮らす神聖獣界。
野原も、林も、森も、山々も、空も、全てがいつも神秘的に輝いている、とても神聖な世界。
『なんだ? あの”邪悪”な塊は』
そんな世界の異変に、聖獣達は気づいた。
ゴゴゴゴゴ…と音をたてて、黒い影が近づいてくるのだ。
『どけいっ 聖獣ども!』
『うわぁ! 食われる―っ!』
その黒い影は聖獣達を見るとスピードを上げ、次々と周りの聖獣を食べながら、ある場所の前で止まった。
『ついに見つけたぞ!! 別世界へと通じるという、”聖なる神殿”!!!』
”聖なる神殿”。
その形は建物と言うよりは八角形の箱のようで、上に六芒星の形が描かれているものだ。
『待て――っ!! ”邪悪”め! 聖なる神殿はわたさないぞ!!』
龍のような顔の光の生命体が1匹、威勢良く”邪悪”に向かって飛んでいく。
しかし。
『待てドラグーン!!』
『今の私達では あやつ に勝てぬ!!』
鳥、虎、亀の3匹の聖獣が彼 ― ドラグーン ― の前に出てきて、彼を止めた。
彼らはドランザー、ドライガー、ドラシェル。 ドラグーンの兄貴分だ。
『じゃあ、どうすれば…』
このままでは聖なる神殿が”邪悪”の手に落ちてしまう。
すると突然、神殿の六芒星の中心が光った。 神殿はドラグーンを吸い込もうとする。
『うわっ』
『別世界への門が開いた』
『今だドラグーン、神殿に飛び込め!!』
『別世界にこそ”邪悪”を倒す力があるというぞ!!』
ドラグーンは光に導かれるように神殿に向かう。
『たのむぞドラグーン!!』 『お前こそ我らの希望だ!!』
『わかった!! ドランザー、ドライガー、ドラシェル! オレは、』
――――――――― 必ず力を手に入れる!!!
ドラグーンが光の中に消えると、神殿の光は収まった。
ギャウウン―――――
「いけ――――っ!」 「よし、いいぞ、持ちこたえろ!」
とある小学校の放課後。
運動場では生徒達が、子ども達の間で流行のコマ、”ベイブレード”でバトルをしている。
「じゃーん。 オレもベイバトルにまぜてくれよ!」
自分のベイブレードを前に出して、バトルへの参加を申し込むのは3年1組の竜宮リョウ。
「おっ、買ったのか竜宮」 「初めてだな、回してみろよ」
彼のクラスメイト達。 生徒はバトルをやめ、リョウに注目する。
「リョウ兄のは ドラグーンF-ファントム- なんだね! かっこい――!」
のん気に話すのは、リョウの1つ下の小2の妹、シキ。
ベイブレードには、真ん中にはめるビットチップというパーツがあり、
そのパーツのシールにそれぞれ”聖獣”と呼ばれる動物がプリントされおり、その聖獣の名前がベイブレードの名前になるのだ。
”ドラグーン”は白いベイブレードで、聖獣は”青龍”。
「よーし、ゴーっ、シュート!!」
リョウは勢いよくスタジアムの中へ自分のベイブレードをシュートする。
1人はつばを飲み、皆期待した目で回っているベイブレードを見る、が。
「あれ」
少しも経たない内に、リョウのベイブレードはポーンとスタジアムから出てしまった。
「自滅かよ!」 「げき弱――っ」
クラスメイトはそんな彼を笑う。
「つ、次は回せるよ! ね! ね!」
シキはスタジアムの前でショックで座り込んでしまったリョウをはげます。
カッ ゴロゴロ
ついさっきまで晴れていた空…いや、今も雲1つ無いのに空の色が暗くなり、雷が鳴った。
「逃げろー!」 「雷だ!」 「シキちゃんも早く!」
1人の男子はシキの手を引き、皆校舎へと走っていく。
―――― 約1名を除いて。
「よーし、もう1回バトルだ!! あれ?」
「リョウ兄!!」
雷に気づいていなかったらしく、リョウはまだ運動場にいた。
カッ。 再び空が光る。
「リョウ兄!!」 「あぶない!!」 「竜宮!!」
凄まじい音と共に、リョウに向かって雷が落ちた。
(え…?)
シキはその雷に”何か”を感じた。
「だいじょうぶか、竜宮!?」
「…リョウ兄! 怪我はない!?」
しばらくぼーっと突っ立ていたシキだったが、リョウのもとへ向かい彼を心配する周りの声で現実に戻った。
きっとさっきのは気のせいだ、と少し遅れて駆け寄る。
リョウは無事だった…だが、彼のベイブレードが雷に当たってしまったようだ。
少し電気を帯びたベイブレードから煙が出ている。
「こいつが…。 ドラグーンFが、オレの代わりに雷を受けてくれたんだ…。 青くなっちゃったよ」
雷が落ちる前は真っ白だったドラグーンが、青く染まっている。
「うわっ」 「煙出てるぞ。 平気か?」
「初めて買ったのに、もう壊れちゃったよぉ―――…。 えっぐ、えっ、えっ…」
リョウは泣き出してしまった。
「オレ達 帰るわ」 「じゃな」
泣き出すリョウに、そそくさと帰っていくクラスメイト達。
「リョウ兄……」
シキは何も言わずにリョウの傍にいた。
ブ―――ン
「「!」」
壊れたと思われたドラグーンがまたたいた。
「壊れてない? 回してみよう」
「うん」
リョウとシキはゴクリとつばを飲み、リョウはドラグーンをスタジアムにシュートする。
ギャギャァァァア――――
「やった!! 壊れてなかったぞ――っ!!」
「よかった!」
ていうか、初めてちゃんと回ってるよーっ!
リョウは初めて自分のベイブレードが回っていることに感動の涙が出た。
「やっほう!」
2人が喜んでいるところ。
ドラグーンが光りだし…光と共に大きな青い龍がとび出した。
「あ…」
『”ここ”はどこだ?』
「うわ――っ!!」
『人間? 人間界か』
シキと、驚くリョウを見て、青龍は言う。
『これは! ”聖なる神殿”!! 人間界にもあるのか!!』
青龍が指を指したのは、彼の下にある……今流行のコマ、ベイブレード。
次に彼は気づく。
『おお!! 体だ!! オレに体がある!!
これがドランザー達が言っていた、別世界にあるという”邪悪”を倒す力か!!』
神聖獣界では光の生命体だった彼に、体がある。
「ド…、ドラグーン? うそ!? オレ、夢でも見てるのか?」
「夢じゃない、みたいだよ…」
あたふたしているリョウに、落ち着いているシキ。
『あっ…』
ベイブレードの回転が止まったからだろう。 スゥ、とドラグーンは消えていった。
「消えた」
リョウはそーっとベイブレードを持ち上げ、見つめる。
「まさか、オレのベイブレードの中にドラグーンが…?」
「そう。 その まさか よ」
リョウとシキの背後から声が聞こえた。
「…!」
振り返ると、口元をマフラーで隠した少し年上と思われる少年が立っていた。
『ベイブレードに聖獣が宿っている!!』
少年の持っているベイブレードが言葉を話した。
「トライピオ、ゴ―――ッ!!」
『見つけたぜドラグーン!! このトライピオ様が裏切り者のドラグーンを始末してやるぜえ!!』
そのベイブレードを少年がシュートすると、サソリの聖獣がとび出した。
『ぬう…。 こいつの”気”は、あの”邪悪”と同じだ…』
「この声は…さっきの、」
ドラグーン?!
リョウはベイブレードを見、ギュッと握る。
「見たか、オレのトライピオを!! 回っていると、聖獣が実体化するんだ!!
さあ回せ! 卑怯者のドラグーンを出せ!!」
「あ! あの目は…普通じゃないぞ!?」
「なん、で…」
少年の目を見たリョウとシキは全身に寒気が走った。
彼の白目のはずの部分は赤茶で、瞳が黄色だったのだ。
『そうだ! あいつは”邪悪”に操られているんだ。
少年よ、回してくれ!! オレは戦う!! この”聖神殿”から出してくれ!!』
ドラグーンがリョウに頼む。
ドラグーン!! あの…聖獣のドラグーンが、オレのドラグーンFに!!
「”少年”じゃない! オレは リョウ 、竜宮リョウだ!!」
『よし リョウ ! 回せ!! オレに力を与えてくれ!!』
「うん。 オレのドラグーンは卑怯者じゃない!! いけ――――っ、ドラグーン!!」
『おう!!』
リョウがベイブレードをシュートすると、ドラグーンが飛び出す。
『トライピオ! 勝負だ!!』
『ケケ―――ッ、倒してやるぜドラグーン!!』
「「ドラグーン、がんばれ!!」」
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・・いつになく長ーい後書き・
予告してから約10ヶ月、やっと新連載夢始めましたー!
夢主も連載夢も、何年も前(原作が連載されていた時)に考えたものなのに、何故こんなに時間が経ってしまったか…
去年は受験で時間が無かったなど理由はいろいろありますが、たぶん一番大きなものは…やる気(殴)
ヒロインは小学2年生設定。 今では結構年が離れていて表現しづらいところがあったり…;;
でもこの子は、年の割には少し落ち着いている子だと思われます。
あと、”邪悪”に操られている人の目の色は、漫画のトーンを見ただけの私の想像です。
不気味な感じが想像できたらいいな…とあの色に。 王道と言えば王道ですかね(笑)
途中でベイの説明が少しありますが…
パーツを別のベイのもの変えた場合など例外(?)をいろいろ説明してるときりがないかなと、かなり簡潔にまとめてしまいました;;
(漫画では↑のことはやらず基のベイなので、大丈夫かと…)
あ、ヒロインのベイは次回…いや次の次くらい?に出てきます。
ちなみに原作漫画は小学館の学年誌で連載されていたものです(まだ私がリョウと同じ小3だった頃(爆)
原作を知っておられる方がいる確率がものすごく低いかもという(いらっしゃったらホント感動で涙が出そう(ぇ)、
管理人の自己満足100%な連載夢ですが、よろしければこれからも 「 Light Leo 」 をよろしくおねがいします!><
2008 / 8 / 23 UP